RI2700地区・地区史ノートVol.08「第270地区の分割と新第2700地区のはじまり」

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福岡、佐賀、長崎の3県をテリトリーとするRI第270地区の分割については、すでに書きましたように(第6回)、1977-’78年の田中丸年度のころから話題になっており、次の新家ガバナーは、地区の分割を前提としてガバナーに就任しました。 当時(1970年代)の第270地区は、クラブ数88クラブで、全国2位の巨大地区でした。 公式訪問も地区ガバナーの大きな負担で、いずれは地区の分割再編もやむを得ないという考えでした。 また地区分割後は、地区専用のガバナー事務所の設置も視野の中にありました。 しかしながら、分割についての地区内全クラブの意向を問いましたところ、福岡県内のクラブは全て分割賛成でしたが、佐賀、長崎両県内のクラブで反対の意見があったので、地区の分割は実現しませんでした。

1978-’79年度喜多村ガバナーは、前の年度の新家パスト・ガバナーの依頼を受けて、その年の国際協議会の際に、地区分割についてのRIの了解は得ていました。 地区の分割につきましては、田中丸パスト・ガバナーはと蟻川パスト・ガバナーは賛成の意向でしたが、七条パスト・ガバナー(1977―’78年度、雲仙RC)は、分割により地区のクラブ数が減少すると、ガバナー事務所の運営も難しくなるなどの理由で反対でした。

やがて、1981年(昭和56)7月、第270地区の再編についてのRIの告示がありました。

RI告示:

RI理事会は、国際ロータリー細則第13条第1節の規定に基ずき、第270地区を二つの地区に再編成することを決議した。
1982年7月1日をもって効力を発する二つの地区は、次の通り。
第270地区  福岡県、及び長崎県壱岐、対馬、佐賀県鳥栖市を含む地域
第274地区  壱岐、対馬を除く長崎県及び鳥栖市を除く佐賀県を含む地域
上記の地区再編成に対する、第270地区内クラブによる反対の意思表示は、8月3日までにRI事務総長のもとに届くように届出差なければなりません。

その後、地区再編成についての、地区内クラブからの反対の意思表示はありませんでしたので、1982年7月1日をもって、このRI
告示は発効することが確定しました。
新しい第270,第274両地区の編成は、次の通りです。

第270地区
(第1-5分区)
第274地区
(第6-11分区)
ク ラ 数 51 (59) 37 (58)
会 員 数 2,920 (3,607) 1,842 (2,935)
I A C 数 22 (32) 17 (24)
R A C 数 18 (17) 11(12)

この表の括弧のなかは、2002年6月現在の夫々の地区の現況を示したものです。 20年前と比べて如何でしょうか。 いささかの感慨がありますね。
新第270地区発足当時の地区内は、次の5分区に分かれていました。

クラブ数 地   域
1 1 1 門司・小倉・京築
2 12 北九州・筑豊
3 14 福岡・壱岐・対馬
4 8 久留米・筑後
5 6 大牟田・柳川・大川

1982年7月1日、新しい第270地区が発足しました。 1982-’83年度は、中牟田喜一郎ガバナーの年度です。 この年度、中津RCの向笠広次会員がRI会長に、また福岡城西RCの末永直行会員がRI理事に就任しました。 向笠会長は、前年度のマキャフリーRI会長のテーマ『ロータリーを通じて世界理解と平和を』を受けて、『人類はひとつー世界中に友情の橋をかけようー』をRI会長テーマとして選び、まずクラブ奉仕の重要性を強調し、人類はひとつの大きな家族、全世界の平和と幸福とがなければ、個人の平和と幸福もない、と訴えました。 この年度は、大分県からRI会長が、そして福岡県からRI理事と、九州から国際ロータリーの重要メンバーを2人送り出した訳です。 6月20日の地区協議会出席のため急遽帰福した末永理事は、協議会出席全会員の盛大な拍手に迎えられました。

中牟田ガバナーは、向笠RI会長のテーマを受けて、『先ず、自分の文化を知れ。いま17―18才の若者たちは、2000年には30才の半ばに達する。私たちが、若者と手を取り肩を組んで行けば、21世紀には、世界理解と平和のため、素晴らしい友情の橋が架けられる』と云い、『ロータリーの原点である真の親睦を』と訴えました。また、中牟田は新第274地区とは、これからもよきパートナーとしての関係を保ち続けたいと云い、この1年間を新第270地区の基礎固めの年度と位置つけたのです。
地区の運営は、健全な地区の資金計画が前提です。 新第270地区の会員総数は3,000人で、旧第270地区の61.7パーセントになります。 従って、会員分担金の総収入額も、前年度の61.7パーセントに減少する訳です。 会員が少なくなったからといって、その割合で地区の経費が減る訳ではありません。 また、地区分割後には、固定のガバナー事務所の設置が予定されているのですから、経費の節減に努力したとしても、地区予算の大幅な赤字が見込まれました。 新木文男地区資金委員長(福岡RC)は、地区分担金の年間3,000円程度の値上げを求めて、了承されました。 当時、新270地区と同じ規模の会員3,000人程度の地区での分担金は、最高18,400円、少ない地区でも10,000円で、3,000円程度の値上げはやむを得ないものだったでしょう。 これによって、歴代ガバナーが個人で負担していた諸経費のうち、必要分を地区ガバナー事務所費として予算化し、地区ガバナー事務所を固定化することになりました。 また、予想される国際青少年交換資金の赤字も、これによって補填することが出来ました。
この年度は、8月8日に福岡市ホテル・ニュー・オータニで、第270(中牟田DG)、第273(杉村DG)、第274(北島DG)の九州三地区合同・向笠RI会長夫妻歓迎IMが開催されました。
第270地区では、新しい地区の発足を記念して、向笠RI会長テーマを課題とした作文とエッセーとを募集、作文では戸畑高校の3年生の小林信昭君が、また、エッセーには豊前西RCがスポンサーとなって築上西高校に交換学生として米国から来日しているカレン・A.ベッカーさんが、夫々1位となり、その年の地区大会で表彰されました。
新しい第270地区は順調に発足し、RIの地区呼称変更で、1990―’91年上野年度にRI第2700地区と変更されて、現在に至っています。

1983年(昭和58)1月29日、大川文化センターで高橋孝ガバナー・ノミニーによる『次期会長幹事研修会』が開催されました。 新しい地区では、これまでと比べて、地区役員や地区大会ホストの順番が早く回って来ること、地区会員の分担金値上げ、地区ガバナー事務所の固定化とそれに伴う予算の承認などが、議題となりました。

地区ガバナー事務所の固定化は、1983-’84年度からになりますが、固定化の利点について、中牟田ガバナーは次の諸点を挙げています。

1. 経験豊かな事務職員を持つことが出来、ロータリーに関する諸資料の保管、活用が容易となる。
2. これまで、歴代ガバナーが個人的に負担していた費用のうち、かなりの部分が節約でき、事務費
の合理的運用が可能となる。
3. 新第270地区には、地区ガバナー事務所を固定化するための地理的条件が揃っている。
4. 地区ガバナーの推薦がしやすくなる。

何事にも利点と欠点があるものです。地区ガバナー事務所は、欠点を克服しながら、新しい世紀を迎える訳です。
(菅 正 明)

> 会員増強と拡大のながれ -(a)-

※本文は菅 正明PGによりまして戸畑東RCのホームページに掲載されましたものを許可を得て地区ページに転載しております。

これをお読み頂いた会員の皆さんは、これを契機に、地区の流れに興味を持っていただきたいと思います。 そして、出来れば、あの時はこうだったと、過去の出来事を思い出して下さい。
会員の皆さんのご記憶や、保存資料がございましたら、どんなものでも結構ですから、『地区ガバナー事務所』 か、『戸畑東ロータリー・クラブ』事務局まで資料をお寄せ下さい。